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Dream Baby Dreaming

3.1 PHILLIP LIM PRINTEMPS ÉTÉ 2012

3.1 Phillip Lim

Bastille広場を少し西に進んだ廃工場の様なスペースで3.1 Phillip Limのプレゼンテーションは行なわれた。プレスリリース冒頭にアメリカのスケーター・カルチャーの黎明期を築いたZ BoysのCraig Stecyckの言葉があるように、今回はスケーターへのオマージュや共感がモチーフとなっていた。アメリカ西海岸のスケーター達が、空のプールに侵入しボードを滑らせていた背景を意識してか、工場内に、アメリカ家庭のプールのような滑らかなフォルムの仕切りを設けていた。例えば、パンツはルーズだがテーパードになっていたり、ラバーソールの靴でアクセントを出したりと、全体的にルーズなシルエットでありながらも収まりが良く、現代的にリサイズし、エレガンスを添えている。スポーツの要素の足し方も嫌味がない。うぐいす色のような薄いグリーン、藍色、ペールカラー、マット感のあるブラウンが優しく彩る。
カルチャーへのオマージュの場合、下手すると真似で終ってしまうが、Phillipのバランス感覚は優れていた。ただ、実際のスケーター達が着るかどうかは分からない。そこが、良くも悪くも出自や感覚の違い、端的に言えばAdam Kimmelとの違いなのだろう。

3.1 Phillip Lim

3.1 Phillip Lim
# by drmbbydrm | 2011-07-18 09:25 | PARIS COLLECTION

BERNHARD WILLHELM PRINTEMPS ÉTÉ 2012

Bernhard Willhelm

Bernhard Willhelm

Bernhard Willhelmほど、EXTREMEという言葉が似合うデザイナーはいないだろう。
観光客が行き交うシャンゼリゼ通り。ここに位置するメルセデスベンツの展示会場を貸し切ってデフィレは行なわれた。ベンツがファッションウィークのスポンサーであることを抜きにしても、ベンツのなかを縫うように歩くという演出がにわかに信じがたい。
「100%」とインビテーションに書かれていたように、内容はBernhardのカラーが全開。女性(?)ボディビルダーのエキセントリックなミュージックパフォーマンスに合わせ、モデル達が登場。スポーツ、ネオンカラー、グラフィティ、民族調、アンダーウェア、ゲイといった様々な言葉が飛び交うも、結局はBernhard Willhelmという着地点に収まるところがスゴい。「100%」のほかに、「XXL」といったワードを随所にアイテムに落とし込んでおり、テーマを強調していた。ラストはフランスのゲイポルノ俳優のFrançois Sagatで終るところも非のうちどころがない。正にone and onlyのデフィレであった。

Bernhard Willhelm
# by drmbbydrm | 2011-07-17 03:10 | PARIS COLLECTION

ANN DEMEULEMEESTER PRINTEMPS ÉTÉ 2012

ANN DEMEULEMEESTER

Annの会場はいつもCouvent des Cordeliersにて行なわれる。今回は一面に砂を撒いてのスタートであった。多くのデザイナーなら、おそらく砂といえばビーチを連想させようとするだろう。しかし、彼女のコレクションを見て、ビーチを浮かべた人はいないはずだ。モデル達は、砂漠を彷徨うノマドのようであった。肌が透けるというよりは露出してしまうインナーにジレやタキシードを合わせ、シルエットは緩やかな曲線を描いている。衣服の間に生まれる詩情。白、黒以外に、黄砂のような色合いが目立ち、砂漠と静かに対峙しているかのよう。革の帽子やフリンジのディティールが、ほのかに異国情緒を漂わせていた。
# by drmbbydrm | 2011-07-17 01:36 | PARIS COLLECTION

HENRIK VIBSKOV PRINTEMPS ÉTÉ 2012

HENRIK VIBSKOV

HENRIK VIBSKOVのデフィレはパフォーミングアートと合体したものであった。4つの小部屋をモデル達がドアを開けて訪れていくストーリー。高校の中庭内のセットであったため、これではインドアかアウトドアか判別つきにくいと考えていたところ、途中から部屋を区切るフェンスが廻りだし、ますます空間の隔たりが曖昧になっていった。モデル全員が三重レンズのサングラスとベレーを身につけ、フォーマルとアウトドア、テキスタイルの豊かなニット、パンツが独特のコーディネートで混ぜ合わされていく。セットの影響もあり、とても浮遊感のあるコレクションであった。
# by drmbbydrm | 2011-07-13 22:06 | PARIS COLLECTION

BORIS BIDJAN SABERI PRINTEMPS ÉTÉ 2012

BORIS BIDJAN SABERI

ドイツ出身のデザイナーBoris Bidjan Saberi。出自のためか、どことなく共産圏の香りを感じる。退廃的で朽ちた美しさとでもいおうか。勝手なクリシェなのかもしれないが、私的に、工場の鉄筋の錆びた質感に触れることと、(旧)共産圏の文化を体感することは相似している。
今回はミリタリースポーツ、工場の作業着を意識させるディティールが多かった。色はダストカラーのみで、バックスタイルにボリュームを持たせたり、ミニマルな装飾を施したりしており、ユニークであった。彼に限らず、いくつかのデフィレでフロントとバックスタイルの変化に幅を持たせていた。

BORIS BIDJAN SABERI
# by drmbbydrm | 2011-07-13 05:35 | PARIS COLLECTION