Dream Baby Dreaming

ニューヨーク三部作

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現代アメリカを代表する作家といわれているポール・オースター。彼の初期の3作はニューヨークが舞台の群像劇であるため、俗にニューヨーク三部作と呼ばれている。
今年なって、初めてオースターのこの三部作のうち「幽霊たち」、「鍵のかかった部屋」を読み、独特の物語構成に引きつけられてしまった。彼の作品のほとんどを柴田元幸が手がけており、オースターの作品はやはり柴田訳でないと先の2作で味わった快感は十二分に得られないだろうと思い、三部作のうち柴田訳ではない「ガラスの街」は、しばらく保留にしていた。
が、最近になって「EYESCREAM」で柴田訳の「ガラスの街」がいつの間にか刊行されていたことを知り、すぐに本を手に取りレジへと向かった。
自己と他者の境界が、ニューヨークという都市環境であいまいになってゆく様は安部公房の小説を思い出さずにはいられない。オースターの三部作は探偵小説のようでありながら、真相を描かない。自己というものは、極めて脆弱な基盤に成り立っているということに気づかされる思いだ。

from OKASHOW
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by drmbbydrm | 2009-12-21 22:47 | BOOKS & (MAGA)ZINE